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株式会社M.M.C. 【支援領域・観光】

≪有機的な組織連携≫

地域活性化の一大事業になっている観光開発ですが、そこには各種企業・支援機関・自治体・地元民などが夫々の思惑を抱いて係りを持ちます。これらの各組織や人々が【地域のアイデンティティ:AI】の下で有機的に組織連携しなければ各々が好き勝手な行動をし、観光客にとって纏まりのない地域に映るリスクが生じます。地域内で受けるイメージが多種多様であればあるほど、観光客が抱く明確なイメージと相違してしまいます。

景観法が施行され、かつての様な乱開発が起こることは無くなりましたが、未だその地のイメージに合わない建造物の話も聞いたりします。既に改善されてはいますが、茅葺屋根と水田が絶妙の景色の中に駐車場を作ったり、長閑な港町のメインとなる港の上にバイパスを架けようとしたり、何れも一部が暴走した結果と言えます。これらは、観光戦略の中心となるAIが明確にされていない故と思われます。

 

AIに則り、戦略・戦術へ落とし込む段階で御旗の錦となるものが『観光コンセプト』です。コンセプトとは『誰に、何を、どうするのか』を端的に表した言葉で、事業のテーマでもあります。コンセプトが明確でないと各々の仕掛けに統一感が薄れ、観光客へ伝わるインパクトは弱くなります。その結果、観光客へ伝わるイメージは不明瞭となり、その地が抱く本来の魅力が薄れてしまいます。

一貫性を持たせて多くの魅力作りを行う上では、関連する地元民・一次産業・観光業・支援組織などの意思統一は不可欠です。その上で案件毎に各々の役割分担を明確化し、重複と欠落を排除します。これらを統制し調整するには厳格な判断基準が求められ、馴合いを戒めるタフな精神性も併せ持つ必要があります。効率的効果的に展開する為にも、コーディネータ主導のワークショップを何度も開催しブラッシュアップすることが望まれます。

 

仕掛け作りに連動して、町の再開発も取沙汰される機会があります。再開発エリアにおける対象顧客は、その施設群やエリアをメインに使用する人々です。地元民が主なのか?観光客が主なのか?或いは双方なのか?何れにしても、町づくりの担当組織やディベロッパーが主になることは有り得ない筈ですが、対象顧客を無視した話が後を絶ちません。

顧客ニーズをしっかり捉え、且つ周辺にも馴染む施設でなければなりません。施設ごとにイメージを固める上では、関係者がワークショップで合意形成することが望まれます。一般的に、ディベロッパーが顧客ニーズを重要視し意見を汲み取ることは有り得ませんので、担当組織が顧客ニーズを十二分に反映させることが望まれます。

 

住民の意識を纏める方向性は、その地に伝わり色濃く残る生活文化(貴族・社寺・武家・町衆・農村など)を洗い出すことから始めます。それは、自慢できる観光資源になるからです。例えば、各種の神社や寺院が多くあれば信仰心を、蔵や水路は商業規模を、水車や用水路や作業小屋は豊かな田園規模が伺えます。当然、遺産として残っている施設があれば、町や村の全体イメージとして捉えることは容易になります。

また、排他的な風習は、今の時代では百害あって一利なしです。これらの地域は、転勤族に人気の地(札幌や博多など)のフレンドリーな文化を参考にすべきです。地元の地位や名誉ある人が擁護発言をしても、観光客にとっては泣き言にしか聞こえません。先ずは、小学生に倣って『挨拶』や『声掛け』を始め、自然と身に付くまで意識する事と考えます。そこに、世界に誇る『おもてなし』への入り口が待っていると考えます。

 

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