株式会社M.M.C. 【支援領域・6次産業化 等】
≪取組み姿勢≫
6次産業化とは【1次産業×2次産業×3次産業】で表され、農林水産業者が生産のみならず加工・販売へ事業領域を拡大し収益性向上による経営の安定化を図り、また国内の食料自給率の向上を意図するものです。
中小企業を対象に地域特有の資源を活用した地域資源活用(経産省)は2007年に成立し、翌2008年に農林水産業と中小企業を主体とした農商工連携(経産省・農水省)へ発展しました。2010年にはTPP導入とも絡んで1次産業の力強い復活を目的とした6次産業化(農水省)へ枝分かれしました。これらによって、1次・2次・3次産業者が独自のスタンスで地域特有の資源を活用し、地域活性化に資する取組みが整いました。
従来の1次産業では、各組合へ生産物を納品することがビジネスの出口であり、そこには価格決定権もありません。高付加価値の産物を作っても十把一絡げに扱われれば、生産意欲が落ちるのは当然です。敢えて継続しようとすれば、流通も含めた新たなビジネス展開が必要となります。従って、6次産業化等も消費者ニーズへ取組む新たなビジネスとして捉えるべきで、安易に規格外品の有効活用などと考えてはなりません。
農林水産物への加工・販売の取組み当初は、規格外など廃棄する産物の有効活用と受取られ、程度の低い素材を用いた為に低評価でした。その後、多くの失敗事例に学び、現在では吟味された産物を用いる様になり、本来の付加価値(加工・販売)を念頭に置いた収益構造へ変化してきています。しかし、製品を開発してもその後に控える販売戦略(4P)の立案や経営等に関しては未経験の領域であり、新たなビジネスとして取組む場合には沢山の課題を乗り越えなくてはなりません。消費者ニーズに合わせた商品やサービスの開発・値付け・販路開拓・情報提供など、一般の創業者と同じく経営感覚が求められます
1次生産者は、培った知識と技術の下で従来の生産活動を続ければ、余程の災害やトラブルが発生しない限り生活基盤を脅かされることはありません。しかし、新たな取組を始めなければ、自身がより好くなる為のチャンスには恵まれないでしょう。先進的な生産者は、拘りの有機無農薬・新品種栽培や間伐材の有効活用や船上からのネット販売など、消費者のニーズにフォーカスした新たな取組みを展開されています。
6次産業化等への取組みでは、新商品・サービスの開発と新たな流通がセットになります。全く新しい取組みですので、騒がれているほど簡単に取組めるものではありません。因みに、黒字化に至った平均は4.1年と言われていますが、数字の母集団は黒字化が前提です。その多くは赤字のままで、数字に表れていないと考えられます。従って、如何なる課題も想定内と対処できるよう、事前での計画と心構えが重要となります。
食品加工に取組む上で最も注意すべき課題は、衛生管理です。大量生産の給食ビジネスなどでも食中毒の報道を耳にし、いまだに管理体制の強化が求められます。そこには、消費者の本物志向が安易な添加物・塩分・糖分の使用を抑制し、殺菌処理・温度管理・真空保存へより依存する体質を生み出しました。それでも、マニュアル通りに管理すれば問題は起こらない筈ですが、ミスを起こすのは“人”と言うことです。一般の企業でさえ日常のリスク管理にミスを犯しますので、これから食品加工へ参入する事業者には細心の配慮が求められます。
2020年・観光立国・食料品輸出などを念頭に、2018年には食品加工に携わる事業者全てでHACCP対応が義務付けられます。無論、喫茶店といえども簡易型HACCPが待ち受けています。これらは、感染危機を特定し、どのポイントで抑え込むか(対処法)を定めるもので、5Sに代表される一般衛生管理の基礎の上で併用が求められています。