株式会社M.M.C. 【販売】
≪市場調査~戦略立案≫
“作ったが思うように売れないので、何とかして欲しい”と、多くの方から相談があります。販路開拓に関する課題は全国的に見受けられますが、売れない要因は一品ごとに異なっています。但し、共通項として多い点は、顧客ニーズを確認していないこと、製品の魅力が乏しいこと、不思議なくらい自信満々なことです。市場は顧客ニーズを反映した結果ですので、先ずは市場を調査しなければ真面な戦略は立案できませんし、魅力ある商品開発もできません。
私達は品物を購入する時、過去の記憶を呼び覚ましたり隣に並ぶ競合品の特徴を捉えて、目の前の対象物と比較検討し、どちらが期待を満たすかを判断します。高額商品を選ぶのに、女性に連れ回された経験を思い起こせばご理解出来る筈です。それは低額商品であっても同様に、無意識の中で比較検討しているのです。
消費する側では競合品と比較検討するのに、製造する側になると顧客の立場を忘れて比較検討されません。兎に角、自身が作りたいと思い描く物へ固執されます。俗にいうプロダクトアウトの発想です。バブル崩壊後に物が売れなくなって、顧客が欲しがるものを作ろうとマーケットインの発想が声高に叫ばれましたが、いまだに綿々と生き続けています。
それらの結果、中小企業とバイヤーとの個別商談会(N≒340)での商談成約率は5%です。何と多くのケースで資源の無駄使いをされているのかと、残念でなりません。
売れるには必須条件があります。望まれる製品・適切な価格・入手しやすい場所・分かり易い情報提供など、マーケティングで言う処の4Pがバランス良く整っていることです。これらの準備が整っていなければ思うように売れませんが、そこに無理やり販路開拓を求めても労多くして益少なしです。
購入決定権を持つ消費者(流通業者のバイヤー:その企業が抱える顧客の代表者)が、どの様なものを欲しがっているのか? 商売で成功したいのなら、いの一番に確認すべき事柄ではないでしょうか。更に、売れる為にはその他の条件を最適化していくことが必要で、マーケティング手法がこの解決策へ導いてくれます。
顧客が一定の評価をすることで、その市場は形成されます。従って、競合品の強みや弱みが何処にあるのかの調査は重要です。そのポイントは、現状における『不(不足、不満など)』や『負(負担、負荷など)』が切り口で、取りも直さず顧客ニーズと云うことです。その切り口を使ってアイデア(品)と競合(品)とを比較し、より顧客へ満足して貰えるポイントを探しだすことです。更に、仕事上の係りのない人達にアイデア(品)を評価して貰い、独り善がりにならないように注意が必要です。
これらの準備が整えば、いよいよ販売戦略の立案と商品開発へ移ります。ここで『商品開発…?』と首を傾げられた方、沢山いらっしゃると思います。そう、既に製品が仕上がっているケースが多いからです。それは、取りも直さず『作りたいモノを作ったので、どう売れば良いのか』の状況と考えられます。いずれの場合であっても、最初から分析と意思決定を繰返して戦略を立案して下さい。そして、改善点が見付かればブラッシュアップすれば良いのです。逆に、仕上がった製品に合わせて戦略を調整することは、売れない方向へ導くことになりますので厳禁です。最初に『戦略ありき』なのです。既にお解りのように、顧客ニーズを重視することは、会社の核となる自社シーズ(資源や技術など)を無視したり捨て去ることではありません。消費者や得意先は取巻く環境へ順応すべく立ち位置を変えてきますので、自社シーズを擦り合せることが大切なのです。