株式会社M.M.C. 【コラム MMCコラム(販売戦略の立案 その4)】
MMCコラム(販売戦略の立案 その4)
2019年8月25日(日)
商品開発に関してマーケットインが声高に叫ばれていますが、未だにプロダクトアウトの考えが蔓延しています。その根底には、マーケットインは顧客の要望に従いプロダクトアウトは自社の強みに従う事だと、短絡的な理解があるようです。これでは真反対のイメージを想像させ、「マーケットイン=得意技術の放棄」までも連想させてしまいます。「自社の得意とする技術やノウハウ・ドゥハウを用いずに、勝負に勝てる筈がない」と言った判断は、至極尤もな話です。
ところで、マーケットインの中に技術やノウハウ・ドゥハウを否定する話は一切登場しません。単に、うろ覚えの人達が勝手に思い込んで騒いでいるだけの様です。そして、マーケットインへ抗う動きは広がりを見せており、欧米からマーケティングの遅れを指摘される一因にもなっています。では、どう考えたら好いのか。
それは、【商品開発 その1】や【発想の転換 その1】でも述べましたが、商品購入の決定権は消費者にありますので、消費者が望む商品を開発しなければ売れません。デフレスパイラルの中で消費者の選択眼は磨かれていますので、必須要件と言えます。そこで必要となるのが消費者ニーズの確認で、市場調査や競合品調査を通して行われます。そして、ニーズに沿った商品のイメージを固めアイデア品とします。これらの比較検討に用いる手法が3C分析で、消費者ニーズに対して競合品とアイデア品で比較し、特徴を持たせる工夫を凝らします。ここまでが、マーケットインなのです。
その後、アイデア品の特徴を磨き上げる為に、今まで通り技術やノウハウ・ドゥハウを発揮して競争優位性を高めます。ここから先は、従来通りの強みを追求すれば良いのです。つまり、消費者が欲しがる商品にする為のアイデアは、自分たちの想い付きで決めるのではなく、市場調査を行って決めなさいと言う事なのです。
この論理的にも分かり切った話が、何故遅々として進まないのか不思議でなりません。もしそこに、経営者としての驕り高ぶりや好きな様にしたいといった我が儘があったなら、市場が許さない(つまり売れない)事を肝に銘じるべきです。