株式会社M.M.C. 【コラム MMCコラム(販売戦略の立案 その2)】
MMCコラム(販売戦略の立案 その2)
2019年8月25日(日)
商品開発の第一義は、顧客(消費者)が喜ぶモノを作り上げることです。喜ぶモノとは、「不「や「負「によって我慢を強いられている現状を、解決してくれる商品やサービスを指します。顧客によって差はありますが、そこには必ず顧客期待度が存在します。顧客が抱くニーズに対してどの様に解決し満足させてくれるのか、期待に関する尺度です。その期待度に対する満足度が売れ行きを左右しますので、顧客ニーズを調査することは最重要項目と言えます。
また、どの位の市場規模があるのかの見極めも重要となります。【売上げ=客数×客単価】ですから、対象となる顧客数が多い市場が望まれます。しかし、市場自体に魅力があれば、競合が犇めき合っています。従って、競合品が満足させていないニーズを解決できる特徴を持たせ、価格面では競合品と比較して「値ごろ感」を感じさせる値付けが望まれます。この2点による差別化を展開するのがブルーオーシャン戦略と言われる手法です。逆に然したる特徴も無ければ価格競争に飲み込まれ、規模による効率化でしか為し得ないレッドオーシャン戦略に引きずり込まれます。
より満足度の高い製品やサービスを追求するなら、的確に顧客の期待する内容(ニーズ)を理解した上で、商品化を進めなければなりません。これが、マーケットインの考えです。しかし、多くの場合、製造する側が勝手に「顧客は喜ぶ筈だ」と思い込み、閃きや想い付きで開発に着手します。その根底にあるのは、自社の強みとしている資源や技術力です。これがプロダクトアウトの考えです。このまま進めれば顧客への確認をお座成りにした結果、大半は的を射ていない開発となって売れる事はありません。
ここで一言。決して、自社の強みを発揮しようとする考えを否定するものではありません。むしろ発揮しなければ、中途半端な製品しか作れないでしょう。問題となるポイントは、「開発の前段階で顧客の要望を確認し、自社の強みを適合させる」というプロセスを無視することなのです。従って、マーケットインで商品開発を進める時、顧客志向の考えと前回の【販売戦略の立案 その1】で示した手順を踏むことが重要になります。
市場には、競合と購入者(顧客)が存在し、流通(卸・小売・通販・Netなど)が仲立ちをします。製品や価格も含め、これらの組合せを最初から計画するのが販売戦略なのです。
次回は、顧客ニーズを切り口に製品・サービスの特徴作りについて述べます。